私は不妊治療専門のクリニックで働く前、2つの急性期病院で約8年勤務した経験があります。混合病棟での勤務が多かったため、内科系から外科系まで多くの科を経験出来ました。しかし、婦人科での勤務経験はなく、不妊治療専門クリニックへの転職は簡単なものではありませんでした。
なかなか採用されなかった理由として、一つ目は、求人が少ないということです。病院と比較すると看護師の採用人数が大幅に少ないため、人気の求人はすぐに埋まってしまいます。
もう一つの理由は、ライフスタイルの変化が予想されることです。私が転職活動をした時期が20代後半の時期だったので、結婚や出産等のライフスタイルの変化が予測される、という理由で採用が見送りとなったケースも多かったです。長く勤めてくれる人を求めていますので、仕方がない部分ではありますが、面接で結婚や妊娠の予定について聞かれることが多かったです。これは不妊治療分野の特徴かなと思いました。不妊治療分野に限ったことではありませんが、長く勤める意思表示をすることは、転職活動する上で大切なことだと思います。
人気のクリニックは来院患者数も多く、手術の麻酔管理や医師の介助、外来業務の採血や患者指導等、業務内容は多岐にわたります。患者様とじっくり関わりたいという人よりは、テキパキと働ける人を求めているクリニックが多いです。
施設によって治療方針が大きく異なるのが不妊治療分野の特徴です。A先生はこの考えでもB先生では真逆の考えということがしばしば起こります。経験者でも、未経験者でもクリニックの方針を十分に理解し、順応できる人が求められると思います。
不妊治療をしている患者様はナーバスになっている方も多くいらっしゃいます。治療を継続する上で、患者様との信頼関係を築くことも大切となってくるため、高い接遇マナーが求められます。
患者様のご妊娠は本当に嬉しいですし、最先端の医療に携われるという点も非常にやりがいを感じます。興味関心のある方は、ぜひ目指してみて下さい。