性交後検査ともいいます。排卵期に性生活を行ったあと、9~14時間(施設によってこの時間は前後します)以内に来院していただき、内診台で子宮頸管粘液を採取し、顕微鏡で運動精子の数を観察します。
この検査では精子が子宮腔内に進行する力があるかを評価します。
排卵期以外は膣の中の雑菌の侵入を防ぐために強い酸性で保たれています。膣内に射精された精子の大半は酸によって死滅します。しかし、排卵期のみ子宮頚管(子宮の入り口)から、アルカリ性で無色透明のサラサラとした頸管粘液が分泌されます。この頸管粘液により精子が子宮腔内に入りやすくなります。
頸管粘液の分泌が不十分だと、精子が子宮内に入りにくくなるため、妊娠しにくくなります。
ヒューナーテストで不動精子といって動いていない精子を多数確認した場合は、女性の体が精子を異物だと判断して抗体をつくってしまう、抗精子抗体を持っている可能性があるため、抗精子抗体の検査をお勧めすることがあります。
抗精子抗体は血液検査で調べることができ、不妊症の方の約3%に検出されると言われています。抗体の値にもよりますが、抗精子抗体が陽性の場合は、人工授精や顕微授精へのステップアップが必要となります。
ヒューナーテストの所見が悪い場合でも一回では正しい判断が出来ない場合があるため、再検査をお勧めすることがあります。
不妊には多くの原因があって(原因がわからないこともあります)、一つでも妊娠の妨げになるものがあると妊娠に至らないと感じるのが、このヒューナーテストです。女性の排卵時期にしか分泌されない頸管粘液が妊娠に必要で、卵子が精子と出会うための準備をしていると思うと、とても大きな役割を担っているなと感じます。