着床の窓の話 ERA検査

体外受精では分割した胚を子宮に移植します。子宮内膜には胚を受け入れやすい時期があり、これを着床の窓と呼んでいます。

着床の窓が開かれているのは、排卵から5~7日目で、胚盤胞移植の場合は排卵日を0として、5日目に移植されることがスタンダードです。

この時期に胚盤胞は着床を始めますが、厳密にはこの着床の窓には個人差があります。一人ひとりの着床に適した時期を知ることが出来るのが、ERA検査になります。

ERA検査は保険適応外のため、自費診療となります。施設によって検査料金は異なりますが、13~16万円ほどの費用がかかる検査です。ERA・EMA・ALICE検査を同時に行うことのできるTRIO検査をというものがありますが、16~18万円ほどの費用がかかります。

ERA検査は移植と同じ時期に行います。ホルモン補充周期であれば胚盤胞移植と同じで黄体ホルモン投与開始後5日目に検査を行います。自然排卵周期であれば、排卵日から5日目(LHサージまたはhCG投与から7日目)に検査を行います。

また、ERA検査の周期には胚移植は出来ないため、1周期は検査のために移植を見送るということになります。

検査の対象になる方は、グレードの良い胚を移植しても着床不全を繰り返す方、胚移植する時期をあらかじめ検査しておきたい方になります。

ERA検査を行うことによる妊娠率の向上は論文でも発表されているため、検査を導入している施設も増えています。検査を受けるかどうかは主治医の先生とよく相談して決めてください。

ERA検査ってどうやって行うの?
検査は内診台で行います。膣から専用の細いカニューレ(管)を子宮内に挿入し、子宮内膜組織を吸引採取します。痛みは個人差がありますが、原則麻酔はせずに行う施設が多いと思います。痛みで気分が悪くなっていないか、看護師はお声がけをしながら処置を行います。

検査結果が出るまでに2~3週間の期間を要します。