胚移植を行う際には、胚を受け入れる準備が整った子宮に移植することも重要です。
従来、受精卵が着床する子宮内は無菌状態(全く菌がない状態)と考えられていましたが、近年、子宮内にも細菌が存在していることが分かってきました。子宮内膜にはラクトバチルス属の菌が子宮内に常在菌として存在し、子宮内の環境を良い状態に保っていることが分かってきました。ラクトバチルスは乳酸を作ります。この乳酸は膣内の雑菌の繁殖を防ぎ、病原体を死滅させる効果があります。
子宮内のラクトバチルスの割合を高めることで妊娠しやすい子宮環境に近づけることができます。
EMMA検査はより妊娠しやすい子宮内環境を準備するために、子宮内膜の細菌叢を解析する検査です。
子宮内膜の乳酸菌の割合は、着床・妊娠率に大きく関わります。
子宮内の乳酸菌の割合を上げ、子宮内環境をよくすることが高い妊娠率につながります。
EMMA検査は子宮内膜の厚くなる高温期(月経約15日から25日ごろ)に子宮内膜の一部を採取し、解析を行います。ERA検査と同時に受ける場合は、胚移植を行う時期に合わせて行う必要があります。
検査の結果、治療を推奨する場合は、抗菌薬投与・ラクトバチルス膣剤投与等(治療方針は主治医に確認してください)を行い、子宮内環境が改善してから胚移植のスケジュールを立てていきます。