体外受精の卵巣刺激

体外受精における卵巣刺激とは排卵誘発剤を使用して複数の卵胞を発育させることです。

卵巣刺激の方法はいくつか種類があり、施設によってもやり方は本当に様々です。注射の量や種類で分類すると刺激周期と低刺激周期に分類することが出来ます。他には排卵誘発剤を一切使用しない完全自然周期法というやり方もあります。

排卵誘発法の選択
どの排卵誘発法を選択するかの指標の一つになるのがAMH値です。排卵誘発を行う上で、AMH値は採卵で得られる卵子の数と関係しているとされています。

完全自然周期法は自然な方法で育つ卵胞を採卵するので、排卵する卵子、獲得できる卵子は1個である周期がほとんどです。刺激周期で排卵誘発を行ったほうが、多くの卵子を獲得することが出来ます。

卵巣機能がよく、胞状卵胞数も多く、AMHが高い方はどの方法でも排卵誘発が可能といえます。卵巣機能が低下している方は卵巣を刺激しても複数の卵子を獲得を見込めないため、完全自然周期法を選択されることもあります。

PCOSの方やAMHが高い方が刺激周期法を選択すると、卵巣が腫れやすく、OHSSを合併する恐れがあります。そのため、誘発方法の選択には十分注意が必要です。また、卵胞成熟を促す薬をHCG注射ではなく、アゴニスト点鼻スプレーを選択することでOHSSを回避しています。