卵巣年齢とは卵巣予備能のことで卵巣内の卵子の数と卵子の質で表されます。女性は出生時に約2000万個の原子卵胞を卵巣に蓄えていますが、出生後に自然に減少していきます。月経の有無に関わらず原子卵胞は減少していき、1か月に約1000個のスピードで減少しているといわれています。すべての方が年齢を経るごとに原子卵胞は減少していきますが、個人差も大きいです。
■抗ミュラー管ホルモン(AMH)
AMHとは卵巣の予備能の評価に用いられ、卵巣の中の卵子の残り数を反映し、年齢とともに減少していきます。AMHが低い場合は早めのステップアップを検討するなど、治療方針決定の選択に役立ちます。また、体外受精時の卵巣刺激法の選択の基準になります。
AMH=妊娠率ではない
よく誤解さているのが、AMHが低いと妊娠率が下がるということです。AMHの値は自然妊娠のしやすさとは関係がありません。しかし、年齢を重ねるごとに妊娠率は低下し、高齢出産は合併症のリスクも高まります。卵巣の予備能を知ることで、ライフプランの検討にも活用していただけると思います。
AMHとピル内服の関係
ピルを内服している方はAMHの値が低く出てしまいます。そのため、ピルの影響を踏まえて検査を受けていただく必要があります。ピル休薬後、3~5か月でAMHの値は戻ります。(ピル休薬のリスクもあるため、主治医への相談が必要です)
AMHが高すぎるのも注意が必要
AMHは卵巣予備能の評価に用いられるため、数値が高いほどいのかというとそうではありません。AMHが基準値より高い数値の場合は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)が疑われます。PCOSについては別の記事で詳しく書いているので、気になる方はこちらを読んでみてください。